講演・視察  >寄付について  >メディアの皆様
クリエイトとは? 事業内容 参加者募集 実績
理念 代表メッセージ 設立趣旨 組織概要 スタッフ・メンバー
Leader Column Vol.12
主権者、初めての18歳の春に寄せて
2016年3月13日
 皆さんは先週、高校を卒業し、今日、クリエイトの卒業の日を迎えました。懐古すると、私も5年前の3月1日に高校を卒業し、その10日後に東日本大震災が発生しました。未曽有の被害をもたらしたこの震災を目の当たりにしたとき、社会の変化を予感したものです。それから5年が経過し、震災についての回顧録は様々なところで目にしますので、私はここで時間は割きません。しかし、5年前の卒業と今日の皆さんの卒業を比べて、大きく違うところがあります。それは卒業生が「有権者」でもあるということです。
 クリエイトという組織は、その法人形態からも活動のスタンスからもノンポリを貫いています。クリエイトで政治を議題にすることも初めてでしょう。専門家の前で畏れ多い面もありますが、「選挙」についてお話ししたいと思います。
 日本の主権者は「バッファー・プレイヤー」だと東京大学の蒲島郁夫教授は話しています。「牽制(けんせい)的投票者」と訳され、「基本的には自民党政権を望んでいるが、与野党伯仲がよいと考えて投票する有権者」と言われてきました。その裏付けに自民党政権は54年も継続してきました。
 ところが、2009年に民主党が衆議院総選挙で大勝し、日本で初めての本格的な政権交代が行われました。しかし、3年3か月後の2012年に自民党が政権を奪取しています。ここ数回の衆議院議員総選挙の結果をみると、振り子のように、与野党の勢力が変化しています。これは今の選挙制度の特性だと言われていますが、果たして、それだけの理由なのでしょうか。
 私は、主権者の投票行動自体にも問題があると思っています。熱狂的に熱くなり、醒めるときは急に醒める。そんな主権者が増えていると思います。選挙目当てとも言われかねない選挙前の給付制度やマニフェストが自民党政権や民主党政権でもあったことが、このことの証左です。
 いま、主権者に求められていることは、政策を吟味した、熟考した「投票行動」です。5年前の震災で顕著化したように、国難が発生したときにどこ政権を持つのか、誰が総理をやるのかは致命的なほどに重要なのです。国の行く末を左右しかねないのが「選挙」であり、皆さんはそれを決める権利を有しているのです。
 実際に「選挙」に行くときは、政策を見比べてください。近年は、「政権をとった時にこんなことをしますよ」ということを記載した政権公約・マニフェストの配布が認められるようになり、私たちが、身近に政策を比較することができるようになりました。
 しかし、政権公約には悪いことや自分の政党に不利になることは往々にして書いていません。新聞報道を観るとき同様に、私たちは内容を鵜呑みにすることなく、内容が実現可能なのか吟味することが重要です。
政治不安や誠実の質低下が叫ばれている現代、皆さんの中には選挙や政治に不信感を持っている人もいるかもしれません。福澤諭吉は「政治とは悪さ加減の選択である」と言いました。W・チャーチルは「民主主義とは、これまで歴史上に存在したあらゆる政治形態を除けば、最悪の政治形態である」と演説しました。
熱しやすく醒めやすい国民は、実は、政治に誇大な期待を寄せているのかもしれません。しかし、政治の世界にはベストの選択肢はありません。ベターな選択肢を、いや、福澤が言うように、せいぜい「悪くない」選択肢を選ぶのが選挙なのです。それぐらいに「醒めた認識」による判断が主権者には求められます。
 政治不信を体現する手段として「棄権」をすればいいとまことしやかにいう人もいます。それは詭弁で、単なる責任放棄にしかすぎません。一票を投じて意見表明をしてこそ、主権者なのです。
 むしろ、その不信しかない政治を変えようとすることも一つの手段なのかもしれません。被選挙権という主権者としての権利の行使です。まち塾で社会を正しく見つめ、よりよい社会を見出そうとしていた皆さんの姿をみていると、その選択肢の行使もあり得るのではないかと、ついつい期待してしまいます。
 というのも、まち塾での学び今日で終えますが、その学びの実践は今日がスタートなのです。皆さんは新年度から新しい環境で学びを始めることになります。クリエイトの活動で得た学びや経験は、卒業後、様々な形で発揮されるであろうと確信しています。私たちのスピリットは「チャレンジ」です。皆さんが、将来、様々な分野でそれぞれが活躍され、皆さんと一緒に活動できる日が来ることを楽しみにしています。
最後になりますが、皆さんは、商店街はじめ地域の皆さんからの熱いご支援があったことにより今日まで活動を継続することができました。どうかそのことを忘れないでください。
クリエイトの活動は今日が終わりではありません。来年度以降も常に進化しながら活動が継続していきます。皆さんが卒業後も積極的にクリエイトの活動に対して協力してくれることをスタッフ一同、期待しています。
この活動を今日まで続けられたのは親御さんの理解があったからこそだと、職員一同痛感しています。保護者の皆様には、当法人に対する物心両面にわたるご支援・ご協力を賜りましたこと、心より感謝申し上げます。ありがとうございました。
皆さんの今後の人生が豊かなものになることを祈念して結びとします。


(この談話は「卒業する皆さんへ」に寄稿したものです。)
久保田 圭祐
  • 高校2年生のとき、高校生団体「クリエイト」を設立。2014年4月からは特定非営利活動法人あおもり若者プロジェクト クリエイト理事長。
  • 1992年青森県生まれ。古川中学校、青森南高校卒、慶應義塾大学総合政策学部3学年在学。
  • 中学・高校時代は演劇部に所属し、高校2年次には主演演劇作品が第42回東北地区高等学校演劇発表会で優秀賞一席を受賞し、第4回春季全国高等学校演劇研究大会に出場した。趣味は旅行、飛行機
  • このほか、青森県庁「活力と魅力あふれる東青地域づくり検討会議新幹線全線開業賑わい部会」委員などを歴任。
アクセス  >お問い合わせ メンバーの皆さんへ
Copyright © 2014- Aomori Wakamono project CREATE All Rights Reserved.